
金田一少年の事件簿R
なぜ暖炉は燃えていたか?
第2話
ネタバレ感想・推理記事
早くも『謎すべ』発動!?
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Contents
前回までのあらすじ
【新シリーズ】金田一少年の事件簿R リターンズ 「なぜ暖炉は燃えていたか?」第1話 ネタバレ感想・推理・考察・予想 まさかの1話目で殺人事件発生!?
※以下からの内容はネタバレを含みます。
内容
二つの答え
いかがわしい夢を見ながら眠っているはじめだが、いつきにたたき起こされ、事件現場へと向かう。
発見当時の状況を聞き、一つ一つ確認しながら現場を調べる。
現場を見る限り、はじめの導き出した答えは二つ。
ひとつは自殺。
「もうひとつは、密室殺人」
はじめは他殺と推理
現場の状況をみたはじめは、その不自然な様子から自殺ではなく他殺の可能性が高いという。
「この事件は自殺なんかじゃない」
「密室殺人だよ!」
いつきが発見してから10分程度しか経過していない。
犯人に証拠を隠滅されないうちに警察を呼ぶことにするはじめといつき。
ジッチャンの名にかけて
剣持警部が到着し、事情聴取のために関係者が集められた。
殺人の可能性があると伝えるとざわつく一同。
影原からいつきに送られてきたメールを見て、やはり自殺の可能性は低いというはじめ。
ますます殺人事件の方向へと進み始めるが、そうなると密室の謎が残る。
だが、その謎は全く解けていない。
「今はまださっぱりだが、俺は必ず解き明かして見せるぜ」
「ジッチャンの名にかけて」
密室について考えるはじめ。
いつきの話ではあのコテージは完全に出入り不可能。
外から鍵をかけることもできない。
さが、暖炉の火と美雪が沸かしたコーヒーポットを見て犯人の手口を見抜く。
謎はすべて解けた
暖炉の中を調べている時に、何かに気が付くはじめ。
「そうか・・・わかったぜ美雪・・・」
「はじめちゃん?まさか・・・」
「ああ!謎はすべて」
「解けた!!」
金田一一の推理
影原の血痕
彼女が手に握っているナイフが凶器なのは間違いない。
頸動脈をバッサリと切られている。
しかし、不自然な点があるというはじめ。
「血の飛び散り方さ」
首から出血した血は、床の一方向へと飛んでいる。
しかし、仮にもし自分で首を切ろうとするならば、普通は立った状態で構えるもの。
そして、そのまま首を切った場合は、もっと広範囲へ血が飛び散る。
だが、このように床の一方向だけに飛び散っている状態にするには、床にうつぶせに寝かせたままで首を切る以外に方法はない。
この不自然な状況を自殺と言えるものなのか?
恐らく犯人は彼女に睡眠薬か麻酔薬で眠らせて、うつぶせに寝かせてから頸動脈を切ったのだろう。
そうすることで犯人も返り血を浴びずにすむ。
メールの文章
いつきに見せてもらった影原からのメールを見て、やはり自殺ではないというはじめ。
影原の年齢は22歳。
だが、二十歳そこそこの女性がはじめと美雪のことを「お若い二人」と呼ぶのには違和感を感じという。
密室と暖炉
いつきが発見した時、二つの入口の掛け金は確かに掛けられており、風呂場の扉は開いていたが誰もおらず、窓にも鍵がかかっていた。
外から糸や針を使って閉めれるかも実験したが不可能。
終始暖炉が気になっているはじめ。
暖炉は防火ガラスで閉じられている。
少し肌寒いとはいえ、まだそこまで冷え込んでいない時間帯から暖炉に火が付けられていたことに違和感を感じていた。
真夜中に密室について考えていたところ、冷えてきたために暖炉に火をいれる。
だが、火をつけたとたんに暖炉から煙が上がり、部屋の中へと煙が入ってくる。
いつきに助けを求めたところ、暖炉に火を入れる前に先に煙突の内蓋を開ける必要があると教えられる。
そうしないと、上昇気流で上がるべき煙が全て部屋の中に入ってきてしまう。
それを聞いてハッとするはじめ。
そして近くにあったコーヒーポットに目をやる。
そのまま13番コテージへと向かい、暖炉の中に頭を入れて何かを調べるはじめ。
そこで、犯人の手口が掴めたという。
真犯人
暖炉を除いて密室トリックを解く糸口を見つけたというはじめ。
キメ顔で振り返るはじめだが、顔にすすがついていたことから美雪といつきに笑われてしまう。
このやりとりをキッカケに、関係者一同の姿が頭の中をめぐる。
そして・・・。
「謎は全て解けた!!」
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感想
驚くことに、金田一の目を付けている部分と、私が推理していたことがほぼ一致。
びっくりしましたね(^^;
【新シリーズ】金田一少年の事件簿R リターンズ 「なぜ暖炉は燃えていたか?」第1話 ネタバレ感想・推理・考察・予想 まさかの1話目で殺人事件発生!?
別に先に知っていたわけではありません。
前回の話で、メールの「お若い二人」という部分には違和感を感じてはいましたが、自信がなくて記事には載せていませんでしたが、これも含めて大体の部分は合っていそうです。
ただ、犯人に関してはちょっと難しいかもしれない。
動機もよくわからないですからね。
高速少年の推理
密室トリック
前回も書いた通り、やはり煙突から脱出説が有力だと思われる。
煙突のドラフトを使って室内を負圧(マイナス圧力、吸い込まれる力)の状態にして、入口の扉が開きにくいようにした。
つまり、本当は掛け金の止め金は最初から外れていた。
という仮説も少なからず立てられますが、はじめは煙突内部を調べていますし、そこに何かの痕跡が残っていたようなので、やはり煙突内で何かをしたのは間違いないはず。
煙突から出入りはできないのかという美雪の質問に対し、中は狭くて通れないので人は通れないとはじめは言っている。
この発言は気になるのだが、この発言の後に煙突内を調べているので、この会話の時点ではまだ、通れるかどうかを確かめてはおらず、ただはじめが「通れるわけない」と勝手に決めつけているだけだと思われる。
つまり、煙突は通れるという方向で考えても問題はないと思う。
他に出入り口がなければ、煙突から出るしかなく、他に方法はない。
風呂場の扉が開いていたことが関係があるのかないのかはちょっと微妙なところですが、意味があるとしたら、ドラフト力を増すための吸い込み口。
煙突は排気口とすると必ず給気口は必要で、どちらもしっかりと開けられているほうが風量が増してドラフト力、煙突内の上昇気流は強くなるので脱出もしやすい。
風呂場の扉を開けてくだけで、浴室にある換気扇から外気が入ってくるので空気の流れが自然とでき、見た目でもさほど違和感がないようにしておくことができる。
意味があるとしたらこんなところだろうか。
つまり、密室トリックは。
1殺害
2風呂場の扉を開ける(給気口確保)
3煙突の内蓋を開ける(排気口確保)
3暖炉の中に入り、防火ガラスを閉める
4パラシュートのようなものを準備して少し上に上がる
5暖炉に火をつけて上昇気流に乗って煙突から脱出
と予想。
真犯人
影原の血の飛び方と、メールの差出人が影原本人の可能性が薄いことから、他殺が濃厚。
つまり、影原を殺した真犯人はこの中にいる。
まず重大なヒントとなるのは煙突を調べたあとにはじめが犯人がわかったということ。
煙突内部を調べていたのは、密室トリックを暴くための行動だったが、ここで煤まみれになったことで、関係者全員の顔を思い浮かべて犯人を絞る。
つまり、密室トリック(煙突脱出)が犯人特定にヒントになるということ。
ここで、はじめのイメージする関係者の描写を見てみる。
ここで、決定的な相違点と言えば・・・。
服装
花都は昼間の服装のままで、他の三人は着替えている。
蚊山はボーダーシャツにパーカー。
龍木はVネックシャツにカーディガン。
五里沢はセーター。
三人の服装は完全にラフな恰好で部屋着になっている。
つまり、ここでグループが着替えていない一人と着替えている三人に二分される。
こうなってくると、最も疑いやすいのはただ一人着替えていない花都となる。
ではなぜ彼女は着替えていないのか?
これは、考えればいろいろありすぎてちょっと難しい。
着替える理由として考えられるのは、犯行当時の衣服に煤がついたから。
しかし、一人だけ違う服装をしているのは花都で、着替えていない側。
だとすると、着替えていない理由を考える必要がある。
それは、さっきまで影原と会っていたから、彼女と同じように部屋着にはまだなっていなかった?
もしくは犯行時には違う服を着ていた?
しかし、犯行当時と違う服装に着替えたという仮説だと、それはいくらでも何度でも着替えればすむ話なので、違うように思える。
つまり、彼らの服装で違和感を感じるのはやはり花都が着替えていないこと。
黒だと目立たないから着替えていないか、影原と会うために着替えていないといったところか。
それか、もうひとつ違和感があるとすれば、花都だけが薄着というところ。
はじめも真夜中で寒くなったと言っているし、他の三人も部屋着に着替えた上に、それなりに寒くはないような服装をしている。
だが、花都は昼と同じ服装のまま。
ということは、さっきいまで比較的暖かい、もしくは少し暑いような場所にいたのかもしれない。
次に、影原を名乗っていつきに送られたメールについて考えてみる。
これは、はじめと美雪のことを「お若い二人」と言っていることから、自らも若いはずの影原が作った文章ではないことがわかる。
ではこれは一体誰が作ったのか?
第1話を振り返ると、はじめと美雪のことをたった一度「お若い二人」と言っている人物がただ一人だけいる。
それは・・・。
花都千冬
いつきが自己紹介をしたあとに、二人を紹介するために、メールと全く同様の言葉を発している。
つまり、メールを送ったのは花都の可能性が高くなり、さらに送った人物が影原を襲った犯人ならば、花都が真犯人として濃厚になる。
いつきに名刺を出すよう促しているのも花都。
そうすることで、誰もがメールを送れるという状況を作ったのではないだろうか。
名刺を渡したのは五里沢のみなので、メールの送り主は五里沢しかいないという意見も出ているようだが、いつきがメールを見ている時の受信画面をよく見てほしい。
一番上に差出人のところに名前が表示されているため、影原は電話帳に登録されていることがわかる。
つまり、本編の描写では出てはいおないが、名刺を差し出して自己紹介をした時に、全員と互いに連絡先交換くらいはしていたことが予想できる。
そもそも、描写では確かに名刺を持っているところが描かれているのは五里沢のみだが、こういった場合に、名刺を一人だけに渡して他には渡さないということは常識的には絶対にありえない。
つまり、名刺は全員に渡しており、誰もが連絡はとれるようになっていたと考えるのが自然だ。
脅迫状を出したのは誰!?
これも花都千冬!
と言いたいところなのですが、これは別人のように思います。
最初から気になっているのは、脅迫状のレイアウト。
これは違和感を感じている人は多いのではないでしょうか。
その文章を振り返ると・・・。
愛人ごときが
遺産相続を
主張するなど
言語道断
思い知らせてやる
覚悟をしておけ
この文章、ちょっと読みにくいですよね。
その読みにくさの正体は・・・。
改行
言葉の端々で改行を入れて、妙な形になっています。
これは、ネットが普及し、ブログや掲示板、メールなどで、文章の幅を揃えて沢山改行を入れて読みやすくするという見る人への配慮として使われる書き方で、わりと最近の人が自然と身につけている書き方です。
恐らく、脅迫状を出した犯人は、いつものクセでこのように打ってしまったのではないかと思う。
一方、いつきへ送られてきたメールはどうだろうか。
見ると、改行があまりされておらず、字が詰まっていて少し見づらいレイアウトになっている。
つまり、脅迫状を出した犯人と、メールを送った犯人が同一人物だとは考えにくい。
そして、「お若い二人」という言葉から、送り主は花都が濃厚なため、脅迫状に関しては自作自演の説は消える。
となると、内容は愛人に遺産を奪われたくないという気持ちが読み取れるが、文章の書き方からすると、わりと年齢の若い人間だと思われ、五里沢は薄い。
それに、元々相続の権利のない五里沢がこのような文章を送ったとしても自分にはメリットはないので、身内の誰かが最も濃厚。
しかし、ここからが難しいところ。
蚊山と龍木は似たような立場で、送る動機は十分にあるが、それこそ元々相続する順位として優位な立場にあるので脅迫状を送るのにはちょっと違和感がある。
となると、残るは影原のみ。
DNA鑑定をしてもいいと言うほどに実の娘だと主張しているが、これが本当なのかハッタリなのか?
被害者となってしまったのでわかりませんが、これはもしかしたら嘘だった可能性はありますね。
影原は生前、亡くなった父は争いごとが嫌いだったから娘がいることを隠していたのではないかと話していましたが果たしてそうなのだろうか?
もめ事が嫌で娘がいることを隠していたというのは、なんとなくそれっぽい理屈にも聞こえますが、よく考えてみると普通は逆。
仮にもし本当にもめ事が嫌いだったというのなら、生前に公開する必要はないですが、自分の親族たちが揉めないように、せめてきちんとした遺書を残して、隠し子がいること、財産分与の方法や割合などを明確にしているべきである。
それをせずにもめ事が嫌いだから隠していた、なんて理屈は子供の考えそうな屁理屈にしか聞こえません。
ここまで考えてきてはっきりしたことまでは何も思い浮かんではいないのですが、消去法でいくと、脅迫状の送り主は影原だったのではないかと予想します。
まとめ
短編ながらもなかなか手ごわい今回のお話。
たぶん、犯人は花都で当たってると思うんですが・・・。
これでトリックもあたっていたらちょっとトリハダもんですね(^^;
他に予想外の展開があるとしたら、五里沢と蚊山、龍木の三人がグルで、自分たちの父、そして叔父を殺し、遺産を食い漁っているというのもあるかもしれませんが、こんな短編でそんなエグイ話はないでしょうね。
作者コメントによると、この短編が終わり次第、すぐに長編がスタートするようです。
最速更新、最速推理を目指して頑張っていきます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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