
二人の人間を血を欲した殺人者「血吸い桜」は必ずこの七人の中にいる!
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前回までのあらすじ
ミス研の研究課題のため、猟奇殺人の舞台となった夜桜郷を訪れた金田一と美雪と佐木。
「血吸い桜」と呼ばれる血のような紅味を帯びた桜が咲く「夜桜亭」に宿泊した三人は奇妙な客人たちと出会う。
その翌朝、花見客の一人、斧田鏡一郎が密室の中で胸に桜の枝を突き立てられた状態で発見された。
犯人はかつてこの地で起きた惨劇の犯人「鬼方桜柳」なのか・・・それとも・・・。
金田一少年の事件簿Rリターンズ「吸血桜殺人事件」 第5話
※以下からの内容はネタバレを含みます。
内容・ネタバレ
全員で夕食、話題は小学校の出席番号
一人になってしまった冬部を気遣い、三夜沢が同じテーブルで一緒に食事をしないか?と誘う。
それを聞いた金田一は、それならいっそのことみんなで食事をしようと提案し、それをキッカケに従業員も加わり、調理師の北屋敷以外のメンバーでテーブルを囲んで食事をすることになった。
佐木が話題を切り出し、話はそれぞれの小学校時代の出席番号と席の位置について。
金田一は小一の時、席順が名簿順であったため、美雪とは離れた席になる予定だったが、無理を言って友達に代わってもらい美雪の隣の席をゲットしたらしい。
敷島も同じく名簿順で、男女交互に一列ずつ並んでいたので隣は柴田という女の子だった。
「あいつらもそうだったな・・・」
冬部が突然口を開いた。
「死んだ絵東と斧田も小学校からの仲間で、一年の時は隣同士だった」
・・・。
暗い雰囲気を変えようと次は三夜沢に話を振る金田一。
「三夜沢さんはどうだったんですか?出席番号でかなり後のほうになりますけど」
三夜沢は番号までは覚えてはいないが一年の時から後に何人もいなかったという。
「君たちは覚えてる?」
今度は三夜沢のふりから出席番号の話題へ。
佐木は10番。
美雪は二度のクラス替えで覚えていない。
栞は21番。
敷島は覚えてはいないが、先生の真正面。
「敷島さんと葉崎さんはバイトする前から知り合いなんですか?」
金田一が二人にそれとなく聞くと、ここで知り合ったと言う敷島。
「歳も同じくらいだし同じ学校で机を並べていてもおかしくないなと思ったんだけど」
と、さらに踏み込む金田一だが、二人は出身地が違い、栞は静岡県、敷島は千葉県で、互いに知り合える距離ではなかった。
「そういえば藍染オーナーと虎元さんも割と歳が近いですよね」
歳の話題で年配の二人へ振る。
二人とも目を合わせ沈黙。
そして藍染が、虎元のほうが少し上だったはずと言うが、虎元はそうでしたかな?とそっけない返事をする。
「皆さんお話が弾んでいらっしゃいますね」
北屋敷がデザートを持ってきた。
北屋敷はこの季節にあの桜を見ると失った家族のことを思い出すのだという。
「ご家族はなんで亡くなったんですか?」
不謹慎な金田一の質問に美雪声をかけるが、北屋敷自身は、昔のことだから、と特には気にしていない様子。
事故で妻と子を一度に亡くしたと言うがそれ以上は語らなかった。
金田一が一言お詫びを言ったあと、北屋敷はその場を去った。
夕食を終えて、その時に交わされた会話の中で有力な情報は得られたのかと剣持に聞かれる金田一。
「なんかこー、違和感があったような・・・いや、絶対あった!!」
「どーにもこー、気持ち悪い感じが抜けねーんだ」
金田一は、その違和感の正体ははっきりしていないが、何おかしいことがあること自体には確信を持っていた。
冬部はやはり重要人物!?
剣持の元に本部から連絡が入り、冬部たちが中学時代に死に追い込んだ青桐岳人とその家族の関係者が、その後どうなったのか調査してもらった結果、少なくとも夜桜亭にいる七人の中で青桐家と接点があるのは冬部蒼介ただ一人だということが判明した。
警察としては、冬部が犯人にせよ、狙われる立場にせよ、しっかり見張っておきたいが、本人が協力的ではない。
理由もなしに一般市民である冬部を無理矢理拘束するわけにもいかない。
ましてや冬部は弁護士。
下手をすると逆につけこまれて警察がえらい目にあわされることも考えられる。
剣持は怪しいと思いながらも、そう考えて手を出せずにいた。
冬部の部屋に見張り!まだ知らない事件の秘密とは?
「じゃあ、よろしく」
そう言って電話を切り、部屋の窓から外を眺める冬部。
護衛を嫌がる冬部本人にはわからないように、部屋のドアの前に見張りの警官を一人つけていた。
剣持の考えと同じように、金田一も冬部が犯人だとすると説明のつくことがいくつかあるのはわかっていた。
だが、何故だかしっくり来ない様子。
本当に冬部が昔の仲間を・・・それとも別の誰かが・・・。
鬼方が戻ってきたのかと心配する美雪だが、それはないという金田一。
「この事件にはまだ俺達の知らない秘密が隠されている」
「そして犯人はこの夜桜亭に揃ったメンバーの中にいる」
「死体に桜の枝を突き立てたり、『血吸い桜』の根元に死体を置いたりしたのもすべて何か理由があるはずだ」
第三の犠牲者は冬部!密室トリック再び!
「やっぱりどう考えてもあの密室トリックを解決するには犯人が・・・」
深夜2時すぎ、見張りの警官も眠気に負けてうとうとしている頃、金田一は自室で一人、事件について考えていた。
その時、廊下のほうが何やらバタバタと騒がしいことに気がつく。
廊下を覗いてみるとそこには藍染オーナーがいた。
聞けば西の棟の一室から警報音が聞こえるが、部屋の鍵見当たらないため、北屋敷を起こしてマスターキーを取りに行くところだという。
金田一はそれに同行することにし、騒ぎを聞き付けた美雪と佐木も部屋から出てきて二人も合流した。
警報音の鳴る部屋の前では剣持が待っていた。
部屋は空き部屋のはずだが、突然中から警報音が鳴り出したのを見回りの警官が気がつき、中に入ろうとしたが鍵かかっているという。
「刑事さん、これがマスターキーです」
藍染から剣持へマスターキーが手渡された。
剣持が開錠しドアを開ける。
!?
そこには、仰向けで下腹部に桜の枝を突き立てられ、血まみれで息絶えている冬部の姿があった。
「オッサン、そっちの窓みて!俺はこっち見る!」
部屋にある二つの窓を調べたがどちらの鍵も閉まっていた。
そして、斧田の時と同じように、突き立てられた桜の枝に部屋の鍵が組紐で複雑に絡ませてあるのを美雪が発見する。
「鍵を確認しよう!オッサン手伝って!」
突き立てられた枝を抜き、剣持がその枝ごとドアのところまで持っていき、鍵を挿して回す。
その鍵は間違いなくその部屋の鍵であると確認された。
「最初の殺人と同じように、窓にも鍵がかかっていた、これは・・・」
「二度目の完璧な密室殺人・・・!?」
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感想
やはり第三の犠牲者は犯人のシナリオ通りと言わんばかりに冬部でした。
その現場の様子は、斧田の時に行われた密室トリックの完全再現。
この事件は、謎解きもストーリーも過去の作品の中でも上位に入りそうなくらいに面白いですね!
しかし、「会心のネタが仕込まれている」と期待された第6話ですが、思っていた感じとは違い、相当難易度の高いもののようです。
話の流れとしては、前半は関係者の過去の話で、後半は冬部に対する金田一の疑問と死体の発見。
そのどちらにも意味があるのでしょうが、冬部の死体を発見した場面は、斧田の時と全く同じで、違うの警報ブザーがあったくらい。
窓の鍵は確実に閉まっていたことを金田一と剣持が確認しているので今度こそ完全な密室を自分たちで確認したことになった。
前半の昔話の話題のほとんどは、出席番号だとか席の位置だとか・・・あまり意味がわからない(^_^;)
しかし、そのやりとりを終えて、金田一は「違和感があった、絶対あった!」と言っているので、あの会話の中には間違いなくおかしなことを言っている場面があるということになる。
すでに何度か読み返したのですが、今のところよくわかりませんね。
ただ、以前に指摘していた部屋の鍵については、やはり内側の鍵に挿して確認していますね。
これは何かありそうな感じがするのですが、今ある情報のみでは何も導き出せてはいません。
面白さは抜群なものの、なんとなくはぐらかされることの多いこの話。
色々とつっこみたいところもあるのですがそこはまあ冷静に、そーゆーものだとして流しておきましょう。
もう少し時間をかけてじっくり考えて、いつものようにまた推理記事にまとめます。
気分次第では、素直にツッコミまくる記事なんてのも書いてみたいです。
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