金田一少年の事件簿
「金田一少年の決死行」
プロローグ
ネタバレ感想
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※以下からの内容はネタバレを含みます。
内容・あらすじ
「父さん・・・油もこれで残り2リットルになってしまったよ」
身動きせずに椅子に腰掛ける鉄仮面の男に話しかける。
暗闇の中で生きる一人の男は、旧日本軍の残した食糧と燃料を糧に生き抜いていた。
だが、それも底をつき捕らえた獲物は生で食べるしかなかった。
燃料がなくなって本当の暗闇が来ることを恐れ、食糧に火を通すことよりも、明かりを絶やさないことを選んだ。
こんなことになってしまったのも全てあいつらのせい。
欲に目がくらみ、自分たちを閉じ込めたあいつら。
ネズミを捕まえて、生のまま食らった。
一方、とある教会で、一人の男が懺悔していた。
欲に目がくらんで仲間と共謀して親子を閉じ込めた。
どんな末路を辿ったのかと思うと、牧師の前でいたたまれなく泣き崩れた。
牧師に聖水を手渡されて飲み干す。
彼らが生きていればそこには想像を絶する「憎悪」が満ちていたに違いない。
そう話す牧師の前で、男は倒れた。
「永遠の安らぎを・・・」
「もっとも・・・」
「犯罪者の死後に『安らぎ』なんてものがあればの話ですがね・・・!」
牧師は偽物で、変装を解いたその姿は、地獄の傀儡師・高遠遙一だった。
その後、香港へと向かった高遠。
タクシーで古いホテルの廃墟へと向かう。
そこはまさに「巌窟王」の住処にふさわしい場所。
壁を爆破して、旧日本軍の壕へと入ると、一人の男が襲いかかってきた。
「カリヤか?」
男はその言葉に怯んだ。
高遠は彼を助けに来たというが、男は信用しない。
あいつらの命令で殺しに来たのだろと疑う。
だが、彼を閉じ込めたあいつらのうちの一人はすでに高遠が殺した。
契約を結ぶのならここから出してやると交渉する。
ここに閉じ込められて膨らんだ憎しみを煽り、復讐の手助けをするという高遠。
もちろん、無粋なやり方ではなく芸術的な方法で。
本当にここから出られるのなら、悪魔とでも契約してやるとうい男。
こうして地獄の傀儡師との契約が成立。
久々に日の光を浴びた男には、目が潰れそうなほど眩しかった。
男は、復讐を誓い腹の底から思いっきり叫んだ。
日本
ある朝の朝刊に出ている香港マジックショーの広告を見た明智は、すぐに香港便のチケットを手配した。
同じく日本でいつものおちこぼれな日常を過ごしているはじめ。
佐木のホームページへ依頼があり、いつきと会う。
魅せられたのは明智と同じ新聞に載った香港マジックショーの広告。
写真に写ったマスクマン。
分かる者にはわかるその雰囲気。
それは、地獄の傀儡師・高遠遙一からの挑戦としか思えなかった。
行かないわけにはいかず、はじめと美雪は香港へと飛び立った。
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感想
ここまでの話は本当にプロローグ。
この「金田一少年の決死行」は、第1シリーズの最終話ともあって、かなり力が入っている作品です。
戦うのはもちろん高遠遙一。
当然彼は自ら手を下すのではなく、犯罪をプロデュースするのみ。
暗闇に閉じ込められて、憎悪に満ちた男を煽って、「巌窟王」という怪人を生み出す。
そして、高遠を知る者にはわかるような広告を日本で公開し、はじめと明智を呼び寄せる。
このプロローグがあることでm¥、これから大変なことが起きますよって雰囲気は出せています。
ミステリーというよりは、犯罪プロデューサーと少年名探偵との対決。
これをみる限り、高遠ってほんと嫌な奴です。
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