
金田一少年の事件簿R(リターンズ)
人形島殺人事件
第2話
ネタバレ感想
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前回までのあらすじ
不動高校教師・朱鷺田忍に見せられた謎の暗号を発端に人形供養で有名な伊豆沖の孤島「火吐潟島」を訪れたはじめと美雪。
フェリーに同乗していたのは人形供養に来たわけありの客と、人形の格好をした覆面作家・ペルソナドール。
そして取材に来たいつきと、理由はわからないが剣持の姿も・・・。
※以下からの内容はネタバレを含みます。
内容・あらすじ
人形荘に宿泊予定の客を案内するのは、番頭の蟻塚至。
船で来た客人はみな人形荘に泊まるようだ。
人形荘は美雪とはじめの幼馴染の家族が経営している民宿。
幼稚園の頃しかしらないその子は、いつも人形を持ち歩いている女の子。
人形の名前はまゆみ。
妹だから一人にしたらかわいそうだと言っていつも抱きしめていた。
後から聞いた話では、まゆみという名前は幼い頃に亡くなった妹の名前だという。
そのさな馴染み、まことの実家が人形荘だった。
人形荘に入る前に、島の守り神の人形柱へ一礼を促される。
そして、玄関ロビーには奇妙な人形があった。
それは、古くから村に伝わる村長人形。
その昔、立て続けに災害に襲われた時、村長が自分の命を捧げたと言われる。
遺体を首と胴体と下半身に分けさせて、島の海・山・畑の三ヶ所に埋めさせたとされている。
その言い伝えにちなんで作られた人形で、人形荘は人形神社という社の一部にあるため、こうして祀っているのだという。
そう説明したのは剣持。
聞けば、剣持はここに来るのはもう五回目だという。
「ひょっとして美雪ちゃん?」
「僕だよ、林堂まこと」
「幼稚園の時、すみれ組だった」
美雪が幼馴染の女の子だと思っていたのは男の子だった。
幼稚園の頃は事情があって女の子の格好をさせられていたため、自分も女の子だと思い込んでいた。
島に引っ越してから祖母に男のくせにって言われて愕然としたという。
まことの指示で蟻塚に広間に案内される一同。
そこで、ペルソナドールにお茶を出すと、みな筆談でありがとうと答えた。
「皆様、ようこそ人形荘にお越し下さいました」
あいさつに出てきたのはまことの母、林堂みずほ。
昔から美人だったため、美雪もよく覚えていた。
みずほから供養祭に使われる身代わり人形が配られ、それぞれ参加する事情を話せる範囲で話すように言われる。
それぞれがみな、ここに来た理由と人形を差し出していきさつを話した。
そして、本人にそっくりなミニチュアの人形が手渡される。
部屋割りが決められ、いつきとはじめが相部屋、美雪はその隣。
人形供養とは特に関係のない三人は、お茶を飲んでくつろいでいた。
それぞれの事情を抱えて人形供養に訪れた客人達。
翌日に行われる供養が彼らに何をもたらすのだろうか。
だが、着々と準備が進んでいるのは神社の儀式だけではなかった。
海辺で猫車を押して何かを運んでいる者がいた。
小さな小屋の中で、用意したのはチェーンソー。
地面に横たわっているのは人の姿。
次号へつづく
登場人物
金田一一
不動高校教師・朱鷺田に暗号を見せられ、島へ行くことになった。
特に今のところは目的は見えていない。
七瀬美雪
島に幼馴染がいることからはじめに同行。
朱鷺田忍
不動高校の教師で、祖母の遺品から出てきた謎の暗号が解けずにはじめに依頼。
はじめに島に一緒に行ってくれと頼むが、当日に急な用事で行けなくなる。
用事が済み次第島へ向かうことになっている。
いつき陽介
覆面作家ペルソナドールの取材で島を訪れた。
星坂花梨
ミステリー雑誌「月間クイーン」の記者。
いつきと同じくおっかけ取材で来た。
蟻塚至
人形荘の番頭。
林堂まこと
はじめ、美雪と幼稚園の時の幼馴染。
幼い頃はいつも人形を抱きしめていて、人形の名前はまゆみ。
まゆみは幼い頃に亡くなった妹の名前。
はじめも美雪も女の子だと思っていたが、実は男の子だった。
幼稚園の頃は事情があって女の子の格好をさせられていたため本人も女だと思っていたが、島に来て祖母に言われて自分が男の子だと知る。
林堂みずほ
まことの母。
人形荘の女将。
ペルソナドール
謎の売れっ子覆面作家。
三人とも人形の格好をしているために素顔はわからず、何もしゃべらない。
それぞれが筆談で答える。
紅小路巴(日本人形)・鈴丘摩矢子(フランス人形)・漢田切裏子(ピエロ)の三人。
どのように構成を割り振っているかは謎。
代表作「人形ミステリーシリーズ」で沢山の人形を殺めたため、シリーズ誕生5周年の節目に、これまでの人形を供養したいと祭に参加。
雨野影近
大学時代に白血病で亡くなった恋人がずっと大切にしていたフランス人形を持って参加。
彼女の母親から持っていてくれと頼まれ、ずっと大事にしてきたが、他の女性との結婚が決まり、この機会に人形を供養したいという。
詩村瞳
亡くなった祖父からもらたボロボロの古い熊のぬいぐるみをずっと大切にしていたが、色々と事情があって供養したいとのこと。
赤神双一郎
年代物の一刀彫人形が古くから村の神社に納めてあったが、半年前に土砂崩れで神社が倒壊。
しばらくは家で保管していたが、村の財政も苦しく、社の再建のめどもたたないだめ、思い切って供養してもらうことにしたという。
田中豪
供養したいのは、強盗に殺害された母の血がついた日本人形。
母が大切にしていたものなので捨てられなかったが、父の都合で海外に引っ越すことになったため、人形供養を決意したという。
剣持勇
昔、警察官としてある男を逮捕。
その男の亡くなった娘が大事にしていた人形を供養しに来た。
人形供養はこれで五回目ですでに人形は納めてある。
気持ちに決着がつかないために何度も訪れているのだという。
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感想
今回は話の雰囲気はとてもいいです!
いい感じに気持ち悪い雰囲気になってきました。
それも、人形が題材になってるっていうのがとてもいいですね。
しかし、今までにないくらいに登場人物が多いこと(^^;
はじめ、美雪、いつき、剣持を除外してもなんと14名!!
犯人候補、被害者候補もどこから湧いて出てくるかわかりませんね。
ただ、少し怪しい人物はすでに見えてきています。
出しゃばりキャラは犯人か死亡フラグか!?
立ち位置とキャラ設定から、最も最初の被害者として上がりそうな人は・・・。
星坂花梨
いつきに同行して、わりとどうでもいいというか、深い関連性がないのがこのお方。
人の命はそんな軽く扱ってはいけませんが、被害者としてキャラを作るには取材スタッフというのはうってつけ。
しかし、今回ばかりは流れが違うように感じます。
見ていて普通に思うのがやたら前に出てくる花梨さん。
ペルソナドールが供養祭に参加している理由を話すのを、あらかじめ聞いておいて代弁していますが、ここはちょっと引っかかるところ。
お茶を入れた時のお礼に、筆談でありがとうとそれぞれが答えていますが、ドールたちは何も喋りません。
この三人はどうしてしゃべらないのでしょうか?
キャラ設定としてのポリシーがあるのでしょうが、筆談ではお礼は言う。
これには矛盾を感じます。
花梨はあらかじめ聞いたと言っていますが、どうやって聞いたのでしょうか?
人前ではそのポリシーを崩さずに人形の格好をしたままでしゃべらないのに、別のところでは普通に話していたことになる。
ということは、裏では花梨とは普通に会話しているのだろうか?
だとすると、花梨はそれだけドールたちと親密ということになるが、謎多き覆面作家とされているはずなのにそんなに雑誌記者とペラペラとしゃべるのだろうか?
仮にもしそこまで親密だとするならば、べったり貼り付いて取材しなくても自分だけの情報は握れるように思うのだが・・・。
いや、ドールは花梨としゃべったわけではなく筆談で話したのでは?
もちろんこれはありえる。
花梨は先生方に伺ったと言っているが、数枚の紙を呼んで参加の意図を代弁している。
これは、ドールたちから聞いたことを自分なりにまとめている可能性もあるが、それぞれが筆談もしくは文章にしているものを代わりに読んでいるだけという可能性もある。
しかし、ひっかかるのはなぜそれを花梨が代弁する必要があるのかということ。
もしそれがドールが用意した文章ならば、ドール自身が女将に渡せばいいだけのはず。
全員の前で話さなくてもいいと言われているので、わざわざ明かす必要はないはずなので、文章で渡すだけで十分だ。
それなのになぜ花梨が話す必要があるのだろうか?
ここがどうしてもひっかかるところ。
さらに、広間に案内された後にお茶を用意しているのも花梨。
しかも相手はペルソナドール。
顔を明かさない覆面作家なのでお茶など呑むはずもないのになぜそのような行動をとるのだろうか?
今のところやたらと怪しい花梨。
仮説を立てるとするならば、花梨がこれから殺人を犯す犯人でドールたちの中身は被害者候補といったところだろうか。
もちろん覆面の下はなにもしゃべれないように細工がされている。
そして、筆談でも必要以上のことは書かないように脅されている。
など、花梨さんは怪しいことこの上ないですね。
ペルソナドールの中身は何者!?
先ほども書いたように、中に入っている人物が何者かわからないと同時に、どのような状態かもわかりません。
最もありえると思われるのは、遅れてくると言っていた朱鷺田がドールに扮して島へ潜入。
殺害を行ってから、後からきたと行ってひょっこり現れるパターンかなとも思いましたが、それだと人数があわなくなるのでそこをどうするか。
仮に別で遅れてくる客人がいるとしたらそれで成立しますが、顔は明かすことにはなるので後から島へくる人物は特定されてしまうので難しいかなと思う。
被害者として拉致られてあの格好をさせられているということも考えられる。
そうすると、花梨が手とり足とり操っているようにも見えるので、朱鷺田が入っていて被害者ということも考えられなくはない。
見た目から判断すると、最初に船にいた時に座り方に注目。
まず左のピエロ・漢田切裏子は見るからに小柄で華奢。
内股で体のラインから見るとわりと若い女の子のように見える。
次に、日本人形・紅小路巴は真っ直ぐに膝を揃えて中心に手を交差させて座っている。
これはおしとやかな雰囲気のある日本の女性のお手本のような座り方。
身長は漢田よりも少し高めなうえに、着物だとどうしても足は開かないので男性、女性どちらの可能性もある。
最後にフランス人形・鈴丘摩矢子はどっしりと構えて手を股のところに縦向きに置いている。
身長は三人の中では少しおおきいく、なんとなく横幅もあるように見える。
スカートの膨らみなどを見ても少しぽっちゃりした体型で。
あまり参考にはならないかもしれないが、太っている人は座っている時に手のひらが裏返る(天を向く)傾向があるらしく、鈴丘もなんとなくそのように見える。
変装で体型を隠し、全て女性の人形を着て名前も女性のような名を名乗っているが、中身は男性ということも十分にありえる。
最初の被害者は誰だ!?
今回のラストに描かれた残忍な場面。
これは間違いなく人形柱の見立てに使うつもりでしょう。
つまり、あのチェーンソーで首、胴体、下半身に切断するわけですが・・・。
エグい・・・。
そりゃ犯人も汗かきますわね・・・。
そこで、倒れているのは誰なのかって話なのですが、とりあえず体型と服装からすると女性。
そしてこの服装をしている人物は・・・。
と読み返してみたのですが、この服装をしている人物はいませんでした。
ということは、この人形荘にいる女性の誰かが着替えてからということになる。
そうなるともう誰なのかは特定できない。
アクセサリーや腕時計はしておらず、特に特徴もないので特定のしようがないですね。
女将の林堂みずほは除外すると、可能性として残されるのは
朱鷺田忍
星坂花梨
詩村瞳
の三人に絞られるが、服装が誰とも一致しないとなると、朱鷺田の可能性が高くなる。
しかし、詩村も訪れた時と儀式の時以外は別の服装になっている可能性はあるのでなくもない。
花梨に関しては、部屋着に着替える可能性はあるが、倒れている女性の服装は部屋着のようには見えず、花梨がわざわざ来てきた私服を別の私服に着替える理由はないので花梨の可能性は少し低い。
これに関しては、完全に直感で言うと詩村の可能性が高いと思う。
だが、朱鷺田が34歳で詩村が19歳となると、殺される理由がありそうなのは年齢の高いほうとなる。
さらに、朱鷺田が島と何かしら関わっているとすると、隠されたミッシングリンクが動機となっている可能性も深まる。
しかし、朱鷺田の存在は、見えざる敵のような役割を果たし、仮にもしここで朱鷺田が殺されてしまうのは読者を惑わせる要素を失ってしまうため、少々面白みにかけてしまう気がする。
もしそうだとすると、それはもちろん衝撃的な出来事だが、もったいないように思う。
ということで、第一被害者の予想は、消去法でいくと詩村になるかなと思います。
年齢が若すぎるのはかなり気になりますが・・・。
長々と書いてしまいましたが今週はこのへんで・・・。
妄想推理にお付き合いいただきありがとうございました。
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