金田一少年の事件簿Rリターンズ「吸血桜殺人事件」 第4話

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吸血桜殺人事件

金田一少年の事件簿Rリターンズ
「吸血桜殺人事件」
第4話

 

 

前回のあらすじ

ミス研の研究課題のため、実際に起きた猟奇事件の現場である夜桜亭を訪れた金田一、美雪、佐木の三人。
そこで、血のように紅く、美しく咲き誇る「血吸い桜」と、それにまつわる凶気の医師「鬼形桜柳」の恐ろしい殺人事件の顛末を聞く。
その翌朝、花見客の一人「斧田鏡一郎」が密室となった自室で胸に桜の枝を突き立てられ、殺害された。
犯人はかつてここで猟奇殺人を起こした鬼形桜柳なのか!?それとも・・・。
金田一少年の事件簿Rリターンズ「吸血桜殺人事件」 第3話

吸血桜殺人事件

※以下からの内容はネタバレを含みます

現場検証

斧田鏡一郎が殺害された部屋で、剣持警部も立ち合いで調査する金田一、佐木。

窓の鍵

鍵を実際に開閉させて仕組みを確認する金田一。
その作りは外から糸などを使って閉めることはできないようになっている。
佐木の話では、二つある窓のどちらも鍵は同じ作りなので、窓から逃げるのは不可能と判断。

入口のドア

となると出ていくのは入口のドアしかない。
しかし、それがさらに問題で、ドアの鍵は複製もピッキングも不可能。
死体発見当初、部屋の鍵は死体に突き刺さっていた桜の枝に複雑に絡みついていた。
つまり、一旦部屋を出てから鍵を中に送り込むことも不可能。

部屋の鍵

佐木が部屋に入る時にビデオに撮影していたため、死体発見時の様子を再生し確認する。
マスターキーで部屋のドアを開け、死体を発見。
最初に冬部が死体に駆け寄り、医者である絵東に脈を見るように指示。
次に、窓から犯人が逃げた形跡がないか、手分けして確認するよう金田一へ指示。
そして、斧田の死体と、そばに駆け寄ってきた絵東を上から撮影したところで一時停止。
そこに映った桜の枝をズームでよく見てみると、この時にはすでに鍵の組紐が絡みついていた。
つまり、少なくとも鍵を冬部か絵東が死体に近づいてこっそり仕掛けたりした可能性はなくなった。
ビデオを見る限りでは、鍵は部屋に入った時点で桜の枝に巻き付けられていたようにしか見えない。

換気扇

部屋についているトイレの個室を開ける金田一。
そこには天井に、どこにでもあるような換気扇が設置されている。
それを見て、「ここから出入りするのは・・・」と疑問を持つ金田一だか、警察の調べでは、換気扇は埃だらけで、近いうちに開けられた形跡はなかったようだ。


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事情聴取

金田一は剣持へ二つの調査を依頼。
一つは、鬼形桜柳が起こした事件の顛末。
もう一つは、斧田、冬部、絵東の三人の関係。

それを受けた剣持は、鬼方の事件は本部へ依頼、被害者と友人二人との関係は、金田一も立ち合いで事情聴取することになった。

「弁護士の立場から、プライバシーの問題がある」と金田一が同席することが気に入らない様子の冬部だが、金田一が「何か聞かれて困ることがあるのか?」という問いかけに同席を許す。

三人の関係

三人の関係は、中学の同級生。
被害者の斧田はIT企業の社長。
絵東は医者、冬部は弁護士。

進学校でもなく、特に優秀だったわけではなく、中学時代はどちらかというと出来の悪いほうだった。

そこから、冬部が「どうせ調べられたらわかる・・・先に言っておく・・・」と語りだす。

「我々三人は中学の同級生であると同時に揃って少年院に入っていたんですよ」

慌てる絵東だが、隠しても疑われるだけだから、と言う冬部。

三人は殺人犯?

何をやって少年院に入ったのかを単刀直入に質問する金田一。

さらに慌てる絵東だが、冬部は話を続ける。

「殺人さ・・・!」

中学の時、三人でやっていたいじめがエスカレートし、相手を校舎の二階から突き落としてしまった。
二階で下は芝生だったが、打ち所が悪く即死だったらしい。

被害者家族が心中!?

それでも罪は償った、少年院に入って必死で頑張って、社会貢献もした、と話す絵東。

今までの話からすると、今回の事件の動機はその時の事件が関係しているのか!?

そう言いかけた剣持だが、冬部がすかさず口を挟んだ。

考えが落胆すぎるし、事件を起こしたのは15年も前。
今まで何もなく今になって復讐は現実的じゃない。

そして絵東も話し始める。

憎ければすぐに復讐するだろうし、逆に15年も時間が経過すると憎しみも風化していくんじゃないのか?

「第一、あの青桐岳人の家族は・・・」

「みんな一家心中で死んじゃったから復習もなにも・・・」

「しかし、それは私たちがしたこととは関係ない話で・・・」

 

「そんなわけないだろ!?」

 

絵東が言いかけたところで剣持がテーブルに拳を叩きつけて怒鳴った。

「被害者家族ってのは事件関連の様々なトラブルに巻き込まれて不幸になるケースがいくらでもあるんだ!」

「それを・・・関係ないだと!?」

怒りがおさまらない剣持を金田一がなだめ、二人とも油断はせずに気をつけるということで話はおさまった。

夜桜亭に来る理由

最後に、なぜここに毎年集まるのかを聞く金田一。

「桜を・・・見にだよ」

夜桜亭の桜を見に来るようになった経緯を冬部が語る。

少年院から同じ時期に退院した三人は、自分たちが殺した青桐の墓参りに向かった。
その墓は、誰も管理している様子もなく、墓参りなどされていないようだった。
そして、墓石に青桐岳人の他に、家族の名前も彫られていることに気が付く。
それも、全て同じ日付となっていた。

それを見た三人は落ち込み、そのまま帰る気にもなれず、気晴らしに桜でも見に行こうと、ふらっと電車を途中で降りた。

そして、たまたまたどり着いたのがこの「夜桜亭」だった。

あの日、この真っ赤な桜を見ながらやり直そうと三人で誓った。
絶対まともになってみせる、誰にも恥じない人生を生きなおしてみせると。

つまり、この「夜桜亭」は三人の原点。
だから毎年、桜の季節にはこの「夜桜亭」を訪れる。

ここに集まり、昔のことを忘れないようにお互いに確認しあうために。

三人が集まるようになった理由はそういったことからだった。

犯人は何者?

事情聴取が終わり、二人で事件について話す金田一と剣持。

一家心中とはとんでもない話。
しかし、そうなると殺された同級生の家族が犯人だという線は薄くなる。
そう剣持は言うが、金田一は気になることがあるという。

「心中した家族の遺骨を墓に納め、墓石に名前を刻んだ『誰か』がいる」
「それはここにいる『誰か』かもしれない」

それを聞いた剣持は、すぐに本部へ連絡し、他の人物の身元も調査し、事情聴取も実施することになった。

新たな血を吸う「血吸い桜」

事情聴取が終わった時点ですっかり気分が落ち込んでしまった絵東は、バスはもうない時間だがタクシーで今日中に帰宅することにし、冬部に伝える。

冬部は、長居はするつもりはないが、昔の仲間が殺されておめおめ逃げ帰りたくはないからもう少しはいると話す。

 

そして・・・

 

金田一たちが警察の調査を待っている間に

「血吸い桜」は新たな血を吸って紅々と咲き乱れていた

吸血桜絵東殺害

次号につづく


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感想

今回は、斧田殺害での可能性の確認、冬部、絵東、斧田の関係と過去について説明された感じの回でした。

まず、斧田の殺害現場について。

最初に鍵の検証から入り、初めて鍵の形と仕組みが描かれていました。
そして、こちらの予想をいきなり覆えすかのように佐木がどちらも同じ作りだったと証言。

ただ、描かれているのは死体発見時に金田一が調べていたほうの窓の鍵で、冬部が調べていたほうは描かれておらず、佐木も「向こうも同じだった」と言っているだけなので、窓の鍵が開いていたという可能性がなくなったとは言えないかなと思う。

次に、入口ドアから逃げたパターンを疑い、部屋の鍵について佐木のビデオで検証するが、それを見る限りでは部屋に入る前から斧田の死体に刺さった桜の枝に、鍵の組紐が絡みついていたようにしか見えない。
そしてそれは、どう見てもドアを閉めて、外から仕掛けることなど不可能な状態だった。

その後、トイレの換気扇から出入りしたのでは?と疑う金田一だが、警察の調べで、換気扇は埃だらけで、ここ最近では開けられた形跡はない。

これらの流れは、この殺人では

・犯人の逃走は窓ではなく入口ドアの可能性が高い。
・部屋の鍵は、マスターキーで部屋を開ける前から部屋の中にあった。
・桜の枝に絡みついていた部屋の鍵は、入口ドアを閉めた後に外から仕込まれたわけではない。
・トイレに換気扇があるが最近外された様子はない。

ということを再確認する意味で描かれたもの。
ただ、これが全て真実なら、それこそ金田一と剣持が気にしていたように、それらの要素が全て、マスターキーでしか「出入りできなかった」という方向へ導くかのように示されている。

そして、読者もそれに素直に従うと、おのずとマスターキーの方向へ考えが向かってしまう。

今回の話で、マスターキーに関係する人物への事情聴取は行われず、うまく誘導するとともに、次号への期待感もうまく煽る形となっている。

事件を解く主人公と読者を同時に欺き誘導し、さらに連載としての組み立てもきちんと考えている本編のストーリー構成は、さすが!天才キバヤシ先生です。

そして、明かされた三十路トリオの関係と過去。
これは普通に誰もが思ったような展開がそのままでした。
少しだけイメージが違ったのは、三人は何か卑怯な手段を使ってのしあがり、恨まれるようなことをしたのかな?と思ってましたが、意外にも頑張って更生して社会貢献しようと努力してきたようです。

ただ、いじめで人を殺した事実は一生消えないし、いくら更生して社会貢献したとしても、その汚名は晴れることはないし、犯した罪が消えることはないのは確か。
15年経ったとしても、絵東が言うような「風化する」なんてことはないので、恨まれる存在なのは間違いないですね。

金田一はまず最初にこの三人の関係を知りたがっていたので、先に事情聴取が行われましたが、次は恐らくマスターキーに関係する愛染と北屋敷に事情聴取し、そこから鬼方の事件について聞いていくことになりそうです。

いじめによる転落死、鬼方の猟奇殺人、この二つがどのように結びついてくるのかが最も楽しみなところです。

そして、早くも第二の犠牲者が出たようです。
被害者はやはり三十路トリオの一人。
その日のうちに帰宅すると冬部に伝えていた絵東が、刃物で胸を刺されて死亡。
見た感じ特に変わった様子はないように見受けられますが、今回の描写ではまだ誰にも発見されてはおらず、斧田の時と同じように、死体発見時にはまた状況が変わっている可能性もあります。

次はどのような難事件になるのでしょうか?

今回の気になるポイントとして、金田一がトイレの換気扇を何故気にしていたのか?
元々、殺害時にも、死体発見時にも出てこなかった所なのに、なんで急にそこが出てきたのでしょうかね?

あとは、剣持警部の様子が今回は少し違いますね。
やたらと、感情的になる場面が多く、剣持がぶつぶつ一人ごとを言っているのを聞いて、金田一が「・・・・」となっています。
この金田一の「・・・・」は重要だったり、金田一が何かを思っている時に使われる表現。
剣持警部はいつも事務的な、役割をさせられるだけになっていることが多いので、こういった人間らしさを出してくる感じは好きですね。
感情的になるのもにも何か理由がありそうなので、そこらへんのサブストーリーも楽しみなところです。


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