
その白骨は金田一たちの住む不動山市の外れの雑木林で発見された
骨は25~30歳の男性のもので、頭部をお強打され殴殺
埋められてから少なくとも一年以上は経過していると見られた
そしてこの白骨こそが
これから起こる血塗られた事件の始まりだった!!
Contents
内容・あらすじ
同級生のスキャンダルと結婚
金田一、美雪の同級生の時田若葉と教師の小田切がラブホテルから出てくるところを撮影した写真が学校に貼り出され、ざわつく生徒たち。
騒ぎはそれだけでは収まらず、校長、PTA会長の耳にも入り、時田若葉の退学処分が決定する。
納得のいかない美雪は校長室に一人で乗り込み、彼女にも弁解の機会を与えるべきと抗議するも、PTA会長は、教師と生徒の間でそのようないかがわしい行為は言語道断だ!と取り合ってはくれず、若葉の退学は免れないこととなる。
そのやりとりを知っていた金田一は、校長とPTA会長がいかがわしい関係であることを見抜き、時田の場合と同様に、二人がラブホテルから出てくるところを激写。
それをネタに二人に頼み、若葉の退学処分は取り消されることとなった。
しかし、、退学は免れたものの若葉は数日後、親元に引き戻されることになる。
故郷で地元高校に通いながら子供の頃から決められていた許婚と結婚することになった。
地元に帰るその日、駅のホームで若葉を見送る金田一と美雪。
若葉は時田家の家紋をかたどったペンダントを美雪にあげると言って手渡してくれた。
そして、別れの時。
電車のドアが閉まる直前、若葉が言った。
「あたし、ずっと忘れないからね・・・ずっと」
「あなた達のこと・・・」
それは強気な彼女が見せた初めての涙だった。
若葉の故郷へ
数日後、金田一と美雪の元に、若葉から結婚式の招待状が届く。
そのことを知った教師の小田切は、金田一達とともに若葉のところへ行きたいと頼む。
自分には彼女を引き止める力はない・・・。
でも一目会いたい・・・。
彼女が幸せになってくれるならそれであきらめもつくから・・・。
そう言う小田切だが、それにイラつく金田一。
引き止めもせず諦めるのはおかしい、互いに好きならさらって逃げるくらいしろと言われメソメソする小田切だが、仕方なく三人で若葉のもとへ行くことにする。
結婚式の前日、小田切の車で、若葉の故郷、青森県「六角村」に向かう。
悲惨な山道を車で走ること3時間・・・。「六角村」にたどり着いた。
六角村
崖の上から見下ろす村の形は、ダビデの星の形をしていた。
ダビデとはヘブライ人、古代イスラエル人の王。
ダビデの星はダビデ王の紋章の形。
六角村とはその形がそのまま村の名前になっていると思われる。
同じ青森県にある「戸来村」(現・新郷村)もヘブライがなまったものと言われている。
その村にはヘブライ語らしい民謡も伝わっている。
六角村の館・当主・家紋
「塔の館」
当主 五塔 蘭
家紋 右肩のないダビデの星
塔が沢山くっついたような形
「ツタの館」
当主 草薙三子
家紋 右下の欠けたダビデの星
館じゅうにツタが巻き付いている
「鎧の館」
当主 兜 礼二
家紋 真下が欠けたダビデの星
入り口には鎧がありなぜかカラスが群がっている
「ステンドグラスの館」
当主 一色寅男
家紋 左下が欠けたダビデの星
ステンドグラスがキレイにはめこまれている
「風見鶏の館」
当主 風祭淳也
家紋 左肩が欠けたダビデの星
屋根の上に風見鶏がある
「時計の館」
当主 時田十三
家紋 真上がかけたダビデの星(美雪がもらったペンダントと同じ)
六角村の館の位置
紋章の欠けた部分がこの村での洋館の位置を示している。
そして六つの中心に焼けた協会が建っている。
若葉との再会
時計の館を訪ねた三人。
若葉の父親・時田十三が対応するが、招待状など何かの間違いではないかと言われる。
そこへ若葉が現れ「私がおよびしたのよ」と言って三人を迎え入れる。
小田切は若葉に声をかけるが無言のままの若葉。
お嬢様は式の用意で忙しいと使用人たちに言われ、さえぎられてしまう。
若葉はまるで籠の中の鳥のようだった。
首のないミイラ
くれぐれも屋敷内を勝手に出歩かないように・・・
どのような不幸にみまわれても責任は負わない・・・
そう忠告されていたにも関わらず、美雪にトイレについて来てほしいと言われた金田一は渋々ついていき、偶然にも隠し扉があることに気が付き、興味本位で金田一がその中に入る。
真っ暗な隠し扉のその先に・・・。
「誰だ!?」
「そこで何をしている!?」
二人が首のないミイラを見てしまったその時、十三に見つかってしまう。
隠し扉の地下室に横たわる「首のないミイラ」
そしてこの「ミイラ」こそが、金田一たちを恐ろしい連続殺人へといざなうことになるのである・・・!!
伏線的要素
鎧の館のカラス
鎧の館に訪れた時、やたらと館のまわりにカラスが群がっている。
そして、道を尋ねた際に出てきた女性の手には、今にも息絶えそうなカラス。
この不気味な様子は一体なんなのだろうか?
村の形、館の位置、家紋の意味は?
明らかになにか意味がありそうな三つの要素。
これが事件やトリックに関係してくるのだろうか?
そして、真ん中にある焼けた協会は何なのか?
やたらと閉鎖的な村人
鎧の館の女性、時田の父・十三、時田家の使用人たち・・・登場する村人たちはどことなく閉鎖的で、歓迎しているようには見受けられない。
特に時田十三は、何かの間違いでは?とまで言って、できれば家には入れたくない様子だった。
そして、かごの中の鳥のような扱いをされている若葉。
そんな状況の中で、若葉はなぜ金田一と美雪を読んだのだろうか?
さらに、招待していないはずの小田切を見ても表情一つ変えずに知らないふり。
村人が歓迎しない理由・・・若葉の目的は一体なんなのだろうか?
首のないミイラの意味は?
金田一と美雪が偶然にも首のないミイラを見つけてしまうが、これにはなんの意味があるのだろうか?
その前にこのミイラは本物なのだろうか?
すでに誰かが死んでいるような予感がするが、ミイラの真実が事件にどのように関係してくるのだろうか?
感想
いや~懐かしいですね。
やっぱりこの頃の作品は、どこかおどろおどろしい雰囲気がめっちゃ出てますね。
これが本来の金田一って感じで好きですね!
ただ、過去に読んだことある作品は、ところどころ思い出したりはしちゃいますね(^^;
けど、こまかいストーリーや事件の内容までははっきりとは覚えてはいないので、十分楽しめそうです。
金田一少年の事件簿シリーズはやっぱり面白いです!