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前回のあらすじ
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有森の最後
自ら仕掛けた時限装置のボーガンに打たれ、胸に矢が突き刺さった有森。
早く手当をしようといつ金田一だが、有森は、関係のない緒方先生まで手にかけてしまった自分は助かりたくはない。
このまま冬子のところへ行きたい。
とはいっても天国には行けるわけはない・・・。
「『復讐』という地獄の炎に身を焼いていたのはオレのほうだったんだよ」
「オレは醜い素顔を仮面で隠して生きている『怪人ファントム』そのものだったんだ」
そういう有りモロに金田一は声をかける。
「でも『怪人ファントム』のヒロイン・クリスティーンに対する想いは純粋な愛そのものだったんだ!!」
すると有森は・・・。
「・・・・金田一・・・」
「お前とは・・・もっと違った形で・・・会いたか・・・」
それが有森の最後の言葉だった。
どんな理由があったにしても、やってしまったことは許されることじゃない。
でも・・・。
「本当にこんな終わり方しかなかったのかよ!?」
「有森い~・・・!!」
「オペラ座館」の呪い!?
後日、警視庁警部の剣持がオペラ座館について調べた結果。
あの劇場で、四年前、黒沢オーナーの一人娘が服毒自殺をしていた。
なんでも、劇団員だった恋人に捨てられ、その恋人を奪った女は、当時上演中だった芝居の共演者で、その芝居が「オペラ座の怪人」だったという。
なんとも奇妙な偶然で、ひょっとしたらあの劇場は呪われていたのかもしれない。
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月島冬子の遺書
有森の自宅を捜索すると、両親はつい最近離婚し、アパートに一人暮らし。
自宅からは金田一の推理通りエンジン付きゴムボートが見つかった。
そして、部屋に山積みになった新聞やチラシの間に封の切られていない手紙が見つかった。
それは、生前、月島冬子が残した遺書だった。
彼女が自殺したあと、有森は部屋にほとんど帰っていなかったたと思われる。
遺書の内容
有森くん
この手紙があなたの元へ届く頃
私はこの世に生きていないでしょう
昨日のこと以来
私の心はこの顔と同じように
醜くなりつつあります
そうなる前に
私は命を断つつもりです
私・・・
少しでも天国へ近いところへ行きたいから・・・
それから最後の一つだけお願いがあります
有森くんも
どうかあの三人を憎まないで
いつかまた
同じ天国で暮らせるように・・・
有森もこの手紙を見ていれば、あのような事件は起こっていなかっただろう。
早乙女は罪に問われてしまうのか?
月島を呼び出したことについて、少し事情聴取をされたが、月島が硫酸をかぶってしまったことは、やはり事故扱いとなった。
悲しいすれ違い
日高、桐生、早乙女の三人は普通にとりつくろってはいたが、その「仮面」の下では、罪悪感に怯えていたであろう。
悲しみと憎しみによって、有森も月島の手紙を読むことはできなかった。
結局この事件は、悲しいすれ違いが生んだ事件だったのだ。
たいした男
金田一と事件について話し、別れたあと、剣持は思っていた。
あいつ、たった一人で事件を全部解決しちまいやがった。
金田一耕助の孫ってのは伊達じゃないようだ。
「金田一一」
「たいした男だぜ」
美雪が初めて学校をサボった日
剣持から、月島の遺書を受け取った金田一はそのまま学校には行かずに、有森の墓参りに行き、月島の手紙を渡しに行くという。
「美雪、お前も一緒にくるか?」
その日、美雪は生まれて初めて学校をサボった。
ちょっぴりドキドキしたけど
それはうしろめたかったからじゃなくて・・・
もしかしたら・・・
金田一少年の事件簿「オペラ座館殺人事件」おわり
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