
前回までのあらすじ
ある日、学校の掲示板に張り出された二枚の写真。
それによって教師・小田切進との仲を公開された時田若葉は許嫁と結婚するため故郷に連れ戻されてしまう。
そして、彼女の結婚式に出席するため、金田一と美雪、教師の小田切は、彼女の故郷「青森県・六角村」通称「異人館村」を訪れた。
ところが、若葉の家の「時計の館」の地下室で、金田一と美雪はとんでもないものを見てしまう。
それはあたかも苦悶に身をよじらせるかのように横たわる「首のないミイラ」だったのだ。
内容
怪しい村
ミイラの部屋にいた金田一と美雪は時田若葉の父・時田十三に見つかってしまう。
ちょっとトイレを探していたところ、たまたま見つけてしまったとごまかす。
それは失礼しました、と何事もなかったように部屋へ案内されるが、二人を見つけた時の十三の剣幕は普通ではなかった。
首のないミイラ、時田十三の態度・・・ここ六角村は怪しいことが目白押しだった。
若葉の結婚は政略結婚?
九時ちょうどに、時田若葉の結婚式が始まる。
その式には、異人館の住人をはじめとして、村の名士たちが揃っていた。
古式にのっとり、結婚前夜の宴が始まった。
花嫁・若葉のうしろにいるのは、兜霧子。
鎧の館でカラスを持っていた人物。
肩には、本物のカラスの羽が施してある。
続いて新郎の連城久彦が現れる。
連城家は県内でも五本の指にも入る資産家らしく、これで村の発展にも力が入る。
つまりこれは政略結婚のように思えた。
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村の名士
塔の館・主人
五塔 蘭
気品のある女性
風見鶏の館・主人
風祭 淳也
村の代表
ツタの館の主人
草凪 三子
五年前、事故で最愛の息子を亡くして以来、奇行が見られるようになった。
ステンドグラスの館・主人
一色 寅男
草凪をネコババアと呼び、あんな老いぼれは病院に入れろという。
鎧の館・主人
兜 礼二
兜霧子の父
館の様子と苗字がリンクしている。
焼けた教会
約百年前、この村にきた宣教師たちが建てたもの。
開国と同時に七人の宣教師たちが「エデンのリンゴ」を求めてやってきたのだという。
「エデンのリンゴ」とは、旧約聖書の中で、アダムとイブが食べた「知恵の実」、しかし、彼らがもとめていたそれが何を意味するのかは今となってはわからない。
27年前、火災にあって、牧師夫婦と七人の子供もその時に亡くなったのだという。
古いしきたり
結婚前夜、花嫁はウェディングドレスを着て、汚れない姿でこれまでの罪を悔い改める。
付き添いの女性が一人で教会の入口の前に立ち、寝ずの番をしている間、花嫁はひとりきりで教会の中にこもる。
そして祭壇の前に置かれたベッドの上で横になり、天窓からそそぐ月光を浴びながら目を閉じて、夜通し祈りを捧げる。
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時田若葉殺害!?
時田若葉は教会にこもり、館では宴を楽しんでいる最中、突然教会の鐘が鳴り始め、村人たちが騒ぎ始める。
これもしきたりなのか?
しかし、教会の鐘を鳴らすのは葬式の時だけだという。
様子がおかしいのではないかと、村人が教会の前に集まり、外から若葉に声をかけるが、返事はない。
教会に入れる場所はすべて鍵がかかっている。
そこへ、四駆の車を所有している小田切が、ウインチを使って入口のドアをこじ開ける。
そして、全員で若葉の様子を見に行くのだが・・・。
その時、血の海と化したベッドの上には、純白のウェディングドレスを血に染めた時田若葉の「首のない死体」が横たわっていたのだ・・・!
金田一たちが地下室で見た「首のないミイラ」と同様、首を切られて死んでいる時田若葉・・・。
ドレスのすそに残された血文字「七人目のミイラ」とはいったい何者なのか・・・?
だがこれは、血みどろの連続殺人の第一章にすぎなかった!!
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