日高織絵殺害トリックは不可能!?金田一少年の事件簿ファイル1「オペラ座館殺人事件」の矛盾点!

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金田一少年の事件簿
ファイル1
オペラ座館殺人事件


新たにツッコミ記事を書いてみることにしました。
特に連載始まったばかりの作品は、トリックがあまり重視されていない感じがあり、不思議な点は結構あったりします。
けど、もちろんその時代のほうがストーリーは面白かったりするので複雑なところですね。

※以下からの内容はネタバレを含みます。
推理が完了していない方はご注意下さい。

日高織絵殺害トリック

日高織絵を脅して、劇場の舞台に呼び出した犯人は、舞台の上に設置された重さ数百キロはあるだろう鉄の照明を落下させ、日高を押しつぶして殺害。
犯行当時、緞帳は下ろしてあり、録音した日高織絵の悲鳴を館内に流す。
その悲鳴は緞帳が下りている舞台にいる日高には一切聞こえず、食堂にいる日高以外全員に聞かせ、騒ぎを起こす。
その騒ぎに乗じて、犯人は、殺害時の悲鳴と衝撃音をかき消すと同時に、全員を招集するために劇場の開演ブザーを鳴らし、その間に照明を落下させ、日高を殺害。
その後、緞帳を上げて、何食わぬ顔で他のメンバーと合流して現場へ駆けつける。
死体発見時は剣持警部が設備の老朽化による事故だと判断するが、金田一はワイヤーの切り口から殺人だと断定する。


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ワイヤーの切り口

ワイヤーの切り口について、意図的に切られたものだと断言する金田一ですが・・・。

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あのワイヤーを切った?
ワイヤーというのは、金属の線を何本か束ねて、それをさらに束ねたもので、そう簡単には切れるものではないはずです。

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金属のワイヤーを切ったりするための道具として、クリッパーというものがあるのですが、あの太さのワイヤーを人の力で切るのはかなり難しいです。

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例えクリッパーで切ることができたとしても、おそらくあのように綺麗な切り口にはならないと思われます。
そして、日高織絵の死体発見のシーンではこのように書かれています。

 

・・・重さ数百キロはあるだろう鉄の照明機材が・・・

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とあります。
つまり、重さ数百キロの照明機材を吊っているワイヤーとなるとかなりの強度があるはずなので尚更あのような切り口で切断することは難しくなります。
さらに、この場面からもうひとつ、この犯行の難易度を上げる要素が見て取れます。

ワイヤーの太さと数の関係

現代では、天井の梁などに固定してあるとは思うのですが、古い建物ということで、吊るしてある構造だったとします。
重さ数百キロの照明機材を安定して吊るそうと思うと、どのような構造になるのか?
そう、ワイヤーを1本だけで吊るしておくというのは不安定すぎて、あまり現実的ではない造りです。
つまり、少なくとも2本以上、重さ数百キロであの太さのワイヤーなら8~16本くらいあってもおかしくないと思います。
ワイヤーはあまり太くなくても、数が多いほど安定するのは言うまでもないですね。
吊るす物の重さに対して、使用するワイヤーの数とその太さは反比例します。
ワイヤーを細くしたいなら、本数を増やさなきゃいけない。
逆に本数を減らしたければ太くしなければなりません。

クリッパーで人力でスパッと切れる細さにするのなら確実に複数を切らなきゃならなくなります。
仮にそれを犯行当時に行うとしても、クリッパーでワイヤーを切断する時は、「パチン」と結構大きめな音がするので、すぐに日高に気づかれる可能性が高い。
順に切断していくことができたとしても、本数が少なくなったところで、照明機材は不安定になり、グラグラ揺れたりして、それもまた落下する前に気づかれる可能性は高いです。
では逆に、照明のワイヤーが1本だとすると、重さ数百キロの照明機材を吊るしているわけで、あのような太さではなく、とても人力で切れるようなものではなくなるはずなので、切ることは不可能。

 

ということは
ワイヤーをあのように切断して日高に気づかれずに照明機材を落下させることは不可能に近いと言えます。

金田一の推理では、「照明のワイヤーを切って彼女を殺した・・・」とだけ言っていますが、ワイヤー切断前の照明の状態がどのような状況だったのか気になって仕方がないですね。
切れるようなワイヤーなら、元々照明機材を吊るしておけないので1本になった時点で落下しているはずです。
また逆に、重さ数百キロの照明機材を吊るしておけるようなワイヤーなら綺麗に切ることは不可能・・・・。


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照明機材の吊り方

ただ、もう一度、日高織絵の死体発見時のシーンを見て欲しい。

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死体の上にのしかかっている照明機材には2本のワイヤーがはっきり描かれている。
日高織絵の立ち位置としては、金田一が入口から入ってくるシーンを見る限りは、舞台のど真ん中
わりと簡素に見えるこの照明機材が数百キロあるということは、恐らく、かなり横に長い構造だということが予測できる。
となると、ワイヤーはやはり複数あった可能性がかなり高い。
そして、真ん中のところに2本あるということは、シンメトリーにワイヤーがあることになるので、照明機材を殺害直前まで吊るしておくには、最低でも2本のワイヤーを残しておく必要があります。
ここで、新たな疑問が生まれます。
たとえ複数のワイヤーを日高にばれずに切っていって最後の1本を切って落下させようとしても、この構造では、残りの2本のうちどちらかを切れば、照明機材はバランスを崩して片側だけが舞台に落下してしまいます。

照明1
その後、重さに耐えられなくなってワイヤーが切れて反対側も落下する可能性もありますが、そうなってしまうと、危険を察知した日高が逃げることも考えられるので、犯行が失敗に終わる可能性が高くなります。

照明2
つまり、このワイヤーの位置では、殺害時に2本のワイヤーを同時に切らなければならず、相当な難易度となってしまうわけです。

まとめ

ただ唯一、この殺人を可能にするとしたら・・・。

 

1.短時間で切断が可能なロープで照明を吊る

2.建物の頑丈な部分に固定

3.ワイヤーを切る

4.犯行時にロープを切断

照明3
この方法でなら可能で、隠れた場所から見ながら狙いすまして落下させることも可能かなと思います。
ただ、本編では、このトリックについての犯人の供述はなく、金田一の推理のみになっているので真相は定かではないのが事実。
しかし、金田一ははっきりと言ってしまっているのです。

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「ワイヤーを切った」

と断言してしまっていますが、このトリックはワイヤー切断では確実に不可能です。
そこをもう少し調べて「ロープを切断・・・」と言ってほしかったところですね。


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コメント

  1. オレンジデーモン より:

    はじめまして

    最近、金田一少年を改めて見始めた身で、こちらのサイトに辿り着きました。

    これから顔を出したりするかもしれませんが、よろしくお願いします。

    確かに織江がステージ上でも端っこにいたり、いいポジに来たら動く前に一瞬でワイヤーを切るのは難しいですね。スパっと切るなんて、犯人は斬鉄剣を持った五右衛門しかありえませんね(笑)

  2. hs-boy より:

    オレンジデーモンさん
    コメントありがとうございます。

    犯人もしくは共謀者として五右衛門がいたことが濃厚かもしれませんね。
    いずれにせよ、かなり難しいトリックなのは間違いないです。

    ただ、この頃はトリックよりもミステリーとしてのストーリーが濃くて、雰囲気も良かったし別の面白さはありましたね。

    まだブログ内のコンテンツが煩雑な状態ですが、少しづつ整理していく予定です。

    今後ともよろしくお願いします(^^♪

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